かつて外交は各国の外交担当者の専権事項だったが、今日では、あらゆる政府省庁が外交を展開している。実質的に、すべての省庁は、国際経済領域に深く関与しており、いまや外交担当省庁のチャンネルを経由する必然性は消失しつつある。つまり、外交コミュニケーション、外交政策という概念そのものが変化している。・・・外交担当省庁の役目は、政府省庁の外交アジェンダの調整と優先順位を決め、それを全体的なパッケージに仕立てあげることへと変化している。統治スタイルが変化した結果、システムは大きく変化している。しかも、昨今における問題の多くはグローバル化している。だが、政治家は国内の有権者の意向にも配慮しなければならない。これが、世界に非常に大きなジレンマを作り出している。