CFR Interview
ユーロ解体、存続の鍵を握るスペイン
2012年10月
ギリシャ、ポルトガル、アイルランドのような比較的小さな周辺国経済の危機はなんとか管理できたが、EUはスペインとイタリア経済の双方を救える規模の資金は持っていない。つまり、スペインのケースは、ヨーロッパが危機を管理できるか、それとも、管理できなくなるかの試金石なのだ。おそらく2013年のどこかの段階で、スペインは市場から資金を調達できなくなり、この段階でスペインは全面的なトロイカの支援、つまり、IMF(国際通貨基金)、欧州委員会、ECBによるベイルアウトのすべてを必要とするようになる。そして、スペインにベイルアウト策がとられれば、今度は誰もがイタリアに注目する。仮に危機がスペインとイタリアに全面的に広がりをみせていけば、ソブリン危機、銀行危機がユーロゾーン全体に広がりをみせ、ユーロ圏は全面的に解体していく。問題は、ユーロゾーンを維持して持続的な成長路線に立ち返るには、各国が構造改革を進める必要があるにも関わらず、政治家は誰もが次の選挙での再選を念頭に政治ゲームを展開し、政府も本腰を入れて構造改革に取り組んではいないことだ。