中国共産党総書記に就任して以降、習近平は政府官僚に対して質素・倹約を求める一連の緊縮措置を通達している。政府官僚が豪華な晩餐会を主催することは禁止され、デザイナーウォッチを身につけることも、新たに政府ビルを建設することも禁止されている。だが、緊縮財政といっても彼の意図は、経済領域にではなく、政治領域にある。「政治腐敗とは無縁の清廉潔白な官吏」という儒教の古い規範は、現在の資本主義と共産主義が交錯する準儒教的な中国社会でも依然として強く意識されており、習近平は優れた統治に関する伝統的な概念をアピールすることで自分の政治的支持につなげたいと考えている。逆に言えば、習近平は、GDPの成長率以上の何かが危機にさらされていると感じている。一時的には支持は高まるかもしれない。だが長期的には、トップダウンの規律強化路線だけでなく、政府の説明責任を求めるボトムアップの流れが必要だ。この二つを一体化させない限り、政治改革としての緊縮路線は近くその限界に達することになる。
