CFR Update
社会道徳の衰退と中国の食品汚染危機
2012年10月号
メラミン混入ミルク、成長促進剤を添加され爆発するスイカ、赤みを増すために薬剤を添加され暗闇で輝く豚肉など、中国の人々がもっとも懸念しているのは、高く売るためなら、食品に人体に有害な物質を添加することも厭わない農家や業者が引き起こす食品汚染危機が大きな広がりをみせていることだ。汚染危機は、生産・供給側が市場経済の拡大ペースに応じてビジネス倫理を確立できず、政府の規制もそのペースについていけずにいるために引き起こされている。「偽造品や汚染食品を市場に送り出す人も、一方では消費者として他の危険な汚染食品のリスクにさらされており、この社会では誰もが他人に対して毒を振りまいている」状況にある。・・・いまや中国社会の破綻というシナリオでさえも、現実離れしているとは言えない。