CFRポリシーメモランダム
医薬品、ワクチン、医療サプライの安全を保つには
2012年10月号
この10年間で、医薬品原料(APIs)の抽出に始まり、成分の配合、製剤、パッキング、流通に至るまで、医薬品の生産・流通プロセスが高度にグローバル化された。あらゆる錠剤、注射液、軟膏が多数の国から調達した医薬品成分で生産されているが、こうした医薬品原料の多くは、規制の緩いことで知られるインドや中国などに点在するほぼ10万に達する工場で生産されている。こうした生産・流通のグローバル化によって、いまや世界各国の薬局や病院で、APIsが含まれていない偽医薬品、基準を満たしていない医薬品、汚染医薬品、あるいは、犯罪組織が巧妙に製造した偽造医薬品が見つかっており、先進国、新興国、貧困国のすべてが危険にさらされている。この問題に対処していかない限り、数百万の人々の生命が脅かされ、医薬品とワクチンの信頼性が損なわれることになる。医薬品の生産・流通チェーンが高度にグローバル化された結果、いまや、いかなる国であっても、国の規制当局が国民に医薬品の安全を保証できる状態にはない。