![](https://www.foreignaffairsj.co.jp/cms/wp-content/uploads/2013/05/shutterstock_324338549-260x173.jpg)
マヴィ・マルマラ号事件が2010年に起きて以降、トルコとイスラエルの関係は冷え込んできたが、2013年3月に両国政府は外交関係を正常化することに合意した。3年に及んだイスラエルとの対立状況は、アンカラにとって厄介な国内問題を切り抜ける便利な政治ツールでもあった。そのトルコがなぜイスラエルとの関係修復に応じたのだろうか。理由は二つある。シリア内戦とエネルギー安全保障という問題をめぐって、アンカラがイスラエルの協調を切実に必要とするようになったからだ。イスラエルはシリア情勢をめぐって優れた情報を持っているだけでなく、最近発見されたハイファ沖の天然ガス資源はトルコにとっても、非常に魅力的な資源だ。「イスラエルとの関係修復によって得られるトルコの経済・外交利益が、対立路線から得られる国内政治上のメリットを上回る」と判断できる環境が生まれていた。これで変化の多くを説明できる。