中ロは本当に現状変革国家か? ―― 現状をどうとらえるべきか
2014年6月号
プーチンは局地的な勝利を手にしたかもしれないが、大局的には敗北を喫しつつある。ロシアは台頭しているのではなく、最大規模の後退を余儀なくされている。中国も民主国家に取り囲まれている。中国とロシアがアメリカのリーダーシップに強く反発し、それに対抗する路線をとることでより大きな地域的影響力を確立したいと望んでいるのは事実だろう。しかし、中国とロシアはせいぜいパートタイムのスポイラーに過ぎない。アメリカにときに反発しつつも、基本的には現秩序のロジックを受けいれている。両国とも国益を現秩序に依存しているからだ。たしかに、中ロは現秩序内で自国の立場を強化しようと試みているが、それを別のシステムに置き換えようとはしていない。