中東ではなく、中ロの脅威を重視せよ
―― 欧州と東アジアの同盟国をいかに守るか
2014年12月号
イスラム過激派がイラクとシリアの大規模な領土を制圧し、ロシアがウクライナに介入し、東アジアでは中国が軍事力を増強している。ワシントンは大きな選択に直面している。これら危険にさらされた地域に介入せずに、運命にすべてを委ねるのか、それとも、状況を正すために危険な賭に打ってでるのか。政策決定者は二つの設問を考える必要がある。一つは危機にさらされている利益がどの程度重要か、もう一つは、その利益を守る上で軍事力を用いるのがどの程度効果的かだ。この設問への答から考えても、いまやアメリカは戦略的優先課題の焦点を伝統的な国家間紛争に再び合わせるべきだし、ワシントンは中東から完全に手を引けるようになるのを待たずに、最優先課題をヨーロッパとアジアにおける同盟国の防衛に据える必要がある。