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米連邦準備制度が金融政策の正常化を試み始めた2014年夏以降、原油価格は低下し始め、1年前と比べて原油価格の水準はいまや半分へと低下している。ロシアの輸出利益の3分の2は原油輸出収益であり、当然、モスクワが巨大な貿易黒字を維持していけるはずはない。控えめにみても、2015年にはロシア経済の規模は少なくとも4%縮小する。すでにインフレ率は8%を超え、今後さらに悪化していく。プーチンが何をしようと、この低い水準の原油価格ではルーブルが深刻な危機から脱することはできない。しかも、ロシアの外貨準備は急速に枯渇しつつある。・・・早い段階でプーチンが欧米との関係を修復すれば、1998年のようなルーブルのクラッシュは回避できるかもしれないが、それには大きな政治コストが伴う。一方、プーチンが現在のコースを維持し、権力を維持していくつもりなら、法の支配に基づく政府という体裁をかなぐり捨て、ソビエト流の警察国家を再構築するしかない。・・・