中国における米大学の挫折
―― 規制に屈した学問の自由
2016年9月号
中国に進出している外国の大学は20を超えるが、その半数以上がアメリカの大学と中国の大学のジョイントベンチャー(合弁大学)だ。中国の他の市場と同様に、中国の教育市場も大きなポテンシャルを秘めている。何十万もの中国人学生が外国の名門大学への留学を望んでいるだけでなく、南京のジョンズ・ホプキンス大学、上海のニューヨーク大学、昆山のデューク大学など、国内で受講できる米大学のプログラムへの参加を希望する学生も多い。だが、当局による言論の取り締まりが強化されており、米大学もその対象にされている。現地に進出した米大学側は、「中国キャンパスにおける言論活動はまったく自由だし、アメリカと同じ学問の自由が教授陣にも現地の学生にもあると主張している」。しかし、現実はそうではない。・・・