経済安全保障とラテンアメリカ
―― 中国に代わるサプライチェーンの確立を
2024年4月号
アメリカは重要鉱物の80%を外国から調達しており、ニッケル、マンガン、グラファイトといったバッテリー製造に使われる鉱物はとくに中国に大きく依存している。マイクロチップの60%、そして最先端の半導体チップの90%は、中国の脅威にさらされている台湾で製造されている。こうした現状には大きなリスクがある。しかし、われわれはラテンアメリカに目を向けることができる。南部国境以南の国々について、「良いフェンスが良い隣人をつくる」と考えている米指導者もいるかもしれないが、それは、大きな間違いだ。ラテンアメリカをサプライチェーンに深く統合せずに、経済的な同盟国をアジアやヨーロッパという遠くに求め続ければ、ワシントンは、さらに大きな中国の影響力が裏庭におよぶことを後押しすることになる。