トルコはシリア難民を社会同化できるのか
―― シリア難民のなにが異質なのか
2016年7月号
トルコの指導者たちは、トルコ生まれの子供がいるシリア人家族のほとんどはもうシリアに戻ることはないとみている。すでにシリア人たちはトルコのさまざまな町や都市で数千のビジネスを立ち上げている。第一次世界大戦後にトルコに定住した旧移民の多くは読み書きができず、しかも雇用、教育、土地を政府からの援助に依存していたために、トルコのアイデンティティーと市民権を受け入れる以外に道はなかった。だが、トルコに逃れてきたシリア人の多くは資本とスキルを持っているし、教育も受けている。すでにトルコのあちこちで、「リトルシリア」が誕生している。一方、トルコの政治勢力は国内に多数のシリア人難民がいることに不快感を示し、トルコの民族的統合性が損なわれかねないと憂慮しているが、トルコ社会に「シリアをルーツとするアラビア語のサブカルチャー」が生まれるのはおそらく避けられないだろう。・・・・