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「捕獲された国家」の経済的末路
―― 経済を蝕む壮大な政治腐敗

エリザベス・デイビッド=バレット サセックス大学政治学教授

The Economic Consequences of State Capture Oligarchs: Are Warping Markets and Corrupting Economies Around the World

Elizabeth David-Barrett サセックス大学の政治学教授(ガバナンス&インテグリティ)で、同大学政治腐敗研究センターのディレクター。

2025年5月号掲載論文

実業家の大統領が富豪と組んで連邦政府の管理権を乗っ取るという事態は、アメリカ近代史ではかつてない展開だ。だが、世界的にみれば、バングラデシュ、ハンガリー、南アフリカなど、政治家、ビジネスエリートの小集団が自己利益のために国と経済をねじ曲げてきたケースは数多くある。このプロセスを描写する「国家の捕獲(state capture)」という言葉もある。政治腐敗によって、そうした国は成長率の低下、雇用の減少、格差の拡大、高インフレに直面する。トランプとマスクが米経済の捕獲に成功すれば、市場をゆがめるだけでは済まない。世界経済にもダメージを与えることになる。アメリカは、世界をクリーンな統治へ向かわせる警察官としての歴史的役割を放棄しただけでなく、豹変してマフィアのボスになりつつある。

  • 捕獲された国の末路
  • 国を盗む
  • 国を蝕む
  • 簡単な修正なし

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