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対中デカップリング
―― 衝撃を抑え、効果を最大化するには

スティーブン・G・ブルックス ダートマス大学 政治学教授
ベン・A・バーグリー 米財務省 政策アナリスト

The Real China Trump: Card The Hawk’s Case Against Decoupling

Stephen G. Brooks ダートマス大学政治学教授、ストックホルム大学客員教授。
Ben A. Vagle 米財務省政策アナリスト。

このエッセーは、ブルックスとバーグリーの共著Command of Commerce: America’s Enduring Economic Power Advantage Over Chinaからの抜粋。なお、ここで示されたバーグリーの見解は個人的なもので、米財務省の立場とは関係がない。

2025年4月号掲載論文

平時に対中デカップリングを強行すれば、ワシントンがまさに回避したい紛争へ北京を向かわせる恐れがある。経済的混乱のなかで、台湾を侵略する機会も近く失われると考えて、武力行使に乗り出すかもしれないからだ。さらに、経済的遮断で中国に大きなダメージを与えるには、米同盟国の参加が不可欠だが、同盟国は、平時の経済的遮断は躊躇するだろう。アメリカが中国を経済的に切り離すことで受ける被害は比較的小さいかもしれないが、日本、韓国、オーストラリアを含むパートナー諸国は大きな代償を払うことになる。むしろワシントンは、危機に備えて、デカップリングを温存することで、対中抑止力を維持する一方で、同盟諸国が痛みに耐えられるように、経済同盟を組織して対策を考案していくべきだ。

  • 平時のデカップリング
  • 中国経済の実態
  • デカップリングのコスト
  • 対中強硬路線
  • 同盟国を守る経済同盟を
  • 米経済を守るには

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