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停戦交渉と欧州の立場
―― ウクライナと欧州の安全を確保するには

エリー・テネンバウム フランス国際関係研究所 安全保障センター ディレクター
レオ・リトラ 新ヨーロッパセンター シニア・リサーチフェロー

Ukraine’s Security Now Depends on Europe: A Deal to End the War Must Include Ironclad Assurances

Elie Tenenbaum パリのフランス国際関係研究所・安全保障研究センター所長。
Leo Litra キーウにある新ヨーロッパセンターのシニア・リサーチフェロー。

2025年1月号掲載論文

2025年に、ロシアとの包括的な和平合意が成立する可能性は極めて低い。合意が成立しても、それは休戦に限られ、政治的協議は先送りされるだろう。交渉が実現しても、米露(そして潜在的には中国)の交渉者が、サウジやトルコの仲介で欧州大陸の将来を決定するとすれば、それは悪夢のシナリオだ。「ウクライナとヨーロッパの主要国がテーブルに着かない交渉などあり得ない」と強く主張しなければならない。そして、ロシアの攻撃を阻む抑止力として、ウクライナ領内に欧州部隊を派遣する覚悟をもつ必要がある。欧州部隊の軍事プレゼンスは安全保障の盾として機能し、欧米の手堅いコミットメントを示すことになる。この環境でウクライナに侵攻すれば、欧州とNATOを巻き込む危険が高いため、ロシアはエスカレーション策に訴えるのを躊躇するはずだ。

  • 米ロ交渉への欧州の参加を
  • ウクライナと欧州の危機
  • 交渉に参加する
  • 韓国モデル
  • 欧州部隊の構成
  • 交渉の要諦

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