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未来の戦争と新しい兵器
―― 新しい戦争はすでに具体化している

マーク・A・ミリー 前統合参謀本部議長
エリック・シュミット 元グーグル会長兼CEO

America Isn’t Ready for the Wars of the Future: And They’re Already Here

Mark A. Milley 前統合参謀本部議長(2019–2023年)。現在はプリンストン大学客員教授、およびジョージタウン大学外交学院特別フェロー。
Eric Schmidt 特別競争研究プロジェクト」の会長などを務める。近著にヘンリー・キッシンジャーおよびダニエル・ハッテンロッカーとの共著『AIと人類』(日本経済新聞出版社)がある。

2024年11月号掲載論文

ウクライナ戦争が他のヨーロッパ地域へ拡大すれば、北大西洋条約機構(NATO)とロシアは、ともに地上ロボットと空中ドローンをまず投入することで、人間だけでは攻撃も防御もできない広範な前線をカバーすることになるだろう。すでに戦争の本質は変化している。イスラエル軍は、AIプログラム「ラベンダー」を使って、ハマスの戦闘員を特定し、彼らの自宅を爆撃している。人が攻撃の承認にかける時間はわずか20秒だ。最悪のシナリオでは、AI戦争は人類を危険にさらす恐れさえある。人間だけによる戦闘シミュレーションと比べて、AIモデルでは、核戦争を含めて、戦争が突然エスカレートする傾向があることがわかっている。

  • 進化する兵器に見合う改革を
  • 変革か敗北か
  • システムを動員する
  • 未来の戦争に適応するには
  • リスクと報酬

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