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プーチンと一体化したロシア社会
―― 反欧米路線が促したロシアの統合

タチアナ・スタノバヤ カーネギー国際平和財団 ロシアユーラシア・センター シニアフェロー

Russia’s Pro-Putin Elites: How the Dictator Recruited Them to His Anti-Western Agenda

Tatiana Stanovaya カーネギー国際平和財団ロシアユーラシア・センター シニアフェロー。政治分析会社Rポリティークの最高経営責任者(CEO)。フォーリン・アフェアーズでは「流動化したロシア政治―― プーチン体制の衰退と新タカ派の台頭」(FAR2023年10月号)などを発表している。

2024年7月号掲載論文

プーチンは、ウクライナ戦争へのコミットメントと反欧米の敵対路線については驚くほど均質な政治環境をロシアで作り上げることに成功している。エリートたちも、戦争を支持し、プーチン信奉者の仲間入りを果たすしかない環境にある。「欧米に対抗し、米主導の国際秩序を突き崩す必要がある」というモスクワの主張はロシア社会で広く受け入れられている。財政基盤、ウクライナでの軍事的優位、そして完全な国内統制が維持される限り、ロシア社会が揺らぐことはないだろう。欧米は、「より自信を高め、大胆で過激になったロシア」にどのように関わっていくかという厄介な課題に直面している。

  • 欧米を非難し続けるモスクワ
  • 出口のない閉塞感
  • プーチンと一体化する社会
  • ロシアの勢いは止まらない

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