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脱グローバル化という危険な神話
―― グローバル経済の真の姿

ブラッド・セッツァー 米外交問題評議会 シニアフェロー

The Dangerous Myth of Deglobalization: Misperceptions of the Global Economy Are Driving Bad Policies

Brad Setser 米外交問題評議会シニアフェロー。米財務省のスタッフエコノミストなどを経て現職。専門は貿易と金融。

2024年7月号掲載論文

「世界の貿易と金融は、中国を中心に南半球に広がるブロック、アメリカやその他の欧米諸国を中心とするブロックによって分断され、ますます敵対的になっている」と現状をみなすべきなのか。実際には、より多くの中国製部品が最終組み立てのために、マレーシア、タイ、ベトナムなどへ輸出され、これらの諸国からの対米輸出が急増しているにすぎない。脱グローバル化が現実に進行しているとみなす前提には問題がある。中国経済への依存はいまも非常に高いレベルにある。世界経済の現状での統合レベルを過小評価すれば、台湾をめぐる紛争やアメリカの一方的な貿易からの後退など、世界経済を揺るがす行動のコストを過小評価することになる。

  • 非グローバル化をめぐる誤解
  • 輸出強化へ
  • 輸出攻勢
  • もう一つのグローバル化
  • 誤解のリスク

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