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アメリカはアラブ世界を失いつつある
―― アラブストリートの信頼を勝ち取るには

マイケル・ロビンス アラブ・バロメーター社 ディレクター兼共同研究員
マニー・ジャマル プリンストン大学 公共・国際問題大学院 学院長
マーク・テスラー ミシガン大学 教授(政治学)

America Is Losing the Arab World: And China Is Reaping the Benefits

Michael Robbins アラブ・バロメーター社 ディレクター兼共同主席研究員。
Amaney A. Jamal プリンストン大学 公共・国際問題大学院 学院長。アラブ・バロメーター社共同設立者兼共同主席研究員。
Mark Tessler ミシガン大学教授(政治学)。アラブ・バロメーター社 共同設立者兼共同主席研究員。

2024年7月号掲載論文

アラブ世界で反米感情が急激に高まっている。イスラエルがガザで軍事作戦を始めて以降、ヨルダンでは、アメリカを好意的にみなす人の割合が、2022年の51%から、最近実施された調査では28%に激減している。国内での反米感情の高まりゆえに、アラブの指導者で、ワシントンに協力しているとみなされたいと考える者はほとんどいない。アメリカのアナリストは、アラブ民衆の声は、米外交政策にはあまり関係してこないと軽くみているが、「アラブの指導者は世論に左右されない」という考えは神話にすぎない。アラブ市民のアメリカへの信頼を取り戻さない限り、アラブの指導者たちは対米協調を避け、アラブとイスラエルの国交正常化もイラン封じ込めも遠のき、中国を含むアクターがこの地域で台頭してくることになるだろう。

  • 中東で高まる反米主義
  • 対米イメージの失墜
  • 好転する対中イメージ
  • ガザ戦争と関係正常化
  • 信頼を回復できるか

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