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ヨーロッパの社会分裂
―― 都市と農村の格差と政治

マリー・ハイランド 欧州生活労働条件改善財団 リサーチ・オフィサー
マッシミリアーノ・マスケリーニ 欧州生活労働条件改善財団 社会政策ユニット長
ミシェル・ラモン ハーバード大学教授

Europe’s Invisible Provinces: How the Urban-Rural Divide Drives Political Polarization

Marie Hyland 欧州生活労働条件改善財団 社会政策ユニットリサーチ・オフィサー。欧州生活労働条件改善財団は、ヨーロッパ全域での生活と労働条件の改善を目的とする欧州連合の専門機関。
Massimiliano Mascherini 欧州生活労働条件改善財団 社会政策ユニット長。
Michele Lamont カナダの社会学者で、現在はハーバード大学教授(ヨーロッパ研究)。文化、不平等などを主な研究テーマにしている。著書にSeeing Others:How Recognition Works and How It Can Heal a Divided Worldがある。

2024年7月号掲載論文

農村住民は、政策立案はトップダウンで「政府は自分たちのニーズを認識していない」と不満を強めている。この10年で農村と都市部の所得・雇用格差が拡大したこと、さらには、食料品や燃料など多くの必需品価格を上昇させている最近の生活コスト危機も農村部の不満を助長している。これがヨーロッパ各国の社会的結束を弱め、極右ポピュリズムが支持される肥沃な土壌を提供している。農村部住民の要求や必要性に配慮し、意思決定プロセスにこうした住民を参加させる必要がある。農村と都市の分裂を有意義な形で埋めれば、欧米の多くの社会が現在抱えている社会的緊張を和らげる助けになる。

  • 文化的二極化
  • 認識ギャップ
  • 地方をもっと快適に
  • 溝を埋めるには

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