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ロシアの未来と米中露関係
―― 五つのシナリオに備えよ

スティーブン・コトキン スタンフォード大学 フーバー研究所 シニアフェロー

The Five Futures of Russia: And How America Can Prepare for Whatever Comes Next

Stephen Kotkin プリンストン大学教授(歴史、国際関係)を経て、現在はスタンフォード大学フーバー研究所シニアフェロー。専門はロシア現代史、ユーラシア地域研究。Stalin:Totalitarian Superpower, 1941-1990sの第3巻を出版予定。

2024年6月号掲載論文

ロシアと中国は、米主導の国際システムにおける責任ある利害関係者に変貌させられるような相手ではない。彼らの「人格」を作り変えようと努力しても、反感を買い、幻滅するだけだ。むしろ、どのような展開が待ち受けているかに備えるべきだろう。特に、ロシアについてはいくつかのシナリオが考えられる。ロシアは中国に隷属するか、このまま衰退の道を辿るかもしれない。一方、共通点の多いフランスに似た存在になっていくかもしれない。逆に中国を操るようになる可能性も、カオスに陥っていく危険もある。少なくとも、「反ロシアにこり固まった欧米」というプーチンの主張を裏付けるような言動をみせてロシア人をさらにプーチンの下に結集させるのではなく、欧米は「プーチンとロシアを分離したい」と望むロシア人を助けるべきだろう。

  • 変化させられない相手
  • ロシアはフランス化する?
  • 衰退するロシア
  • 中国に隷属するロシア
  • 中露と北朝鮮
  • ロシアがカオスに陥れば
  • ヨーロッパとの関係
  • 対策はあるのか
  • 打開策は

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