紛争の一方で進む中東の和解と協調
―― ポストアメリカの中東秩序へ
Only the Middle East Can Fix the Middle East: The Path to a Post-American Regional Order
2024年3月号掲載論文
アラブ世界の主要国は、トルコのような地域大国とともに、ガザ戦争前に存在した和解の流れとその後誕生した協調の機運を固定化するために、この瞬間を生かし、この地域に安定をもたらせる力強い安全保障メカニズムの確立をめざすべきだ。中東は清算の時を迎えている。ガザ戦争からみても、いまや中東におけるアメリカパワーに限界が生じていることは明らかであり、今後の中東の和平と安全保障をめぐって主導権をとるのは、地域の指導者や外交官たちでなければならない。危機と紛争にさらに陥っていく危険もある。だが、別の未来を築き始めることもできる。中東の指導者たちが暴力のスパイラルを食い止め、この地域をより前向きな方向へと導ける可能性は存在する。
- 地域主導の時代へ
- 米影響力の衰退
- 壮大な関係のリセット
- 衝突とレジリエンス
- 戦後のパレスチナ
- 新安全保障フォーラムを
- 新しい中東へ
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