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未来ビジョンを巡る米中衝突
―― どちらの見方が正しいのか

マーク・レナード ヨーロッパ外交問題評議会 ディレクター

China Is Ready for a World of Disorder: America Is Not

Mark Leonard ヨーロッパ外交評議会ディレクター。イギリスの外交分析者。ヨーロッパ全域をカバーする初めてのシンクタンク、ヨーロッパ外交評議会の共同設立者・ディレクター。24歳で、トニーブレア首相の支援を受けて外交政策センターを立ち上げた。米ジャーマン・マーシャルファンドの環大西洋フェローとしてワシントンで、中国社会科学院の客員スカラーとして北京で暮らした経験がある。最近、フォーリン・アフェアーズで発表した論文に「日独の自主路線と対米協調のバランス―― ポストアメリカの協調モデル」(FAR2022年8月号)がある。

2023年8月号掲載論文

冷戦の歴史が再現されていると考えるアメリカは、ソビエトに対して成功した戦略を(中国に対して)復活させようとし、世界を分断し、同盟国を動員している。北京は、各国は、イデオロギー紛争よりも、自己判断と多層的連携へ向かっているという予測に即した戦略をとっている。中国の戦略家は、現状は冷戦型のブロック形成とは相容れず、そのなかで中国は大国の地位を確立できると考えている。こうした北京の未来ビジョンの方が、ワシントンの理解よりも正確で、世界有数の人口を抱える国々の期待により適合しているのかもしれない。アメリカの戦略が、かつての均衡と安定へのノスタルジーに突き動かされ、消えゆく秩序をアップデートするという無益な努力にすぎないのなら、うまくいくはずはない。

  • 米中の未来ビジョン
  • 中国の安全保障ビジョン
  • 欧米同盟対グローバルサウス
  • 複合的現代性の未来
  • 米中の競い合い
  • 分断された世界

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