Chirag Nagpal / Shutterstock.com

プーチンの心理と世界観
―― ロシアの核使用リスクを考える

ローズ・マクダーモット ブラウン大学 教授(国際関係論)
リード・ポーリー ブラウン大学 アシスタントプロフェッサー(政治学)
ポール・スロビック オレゴン大学 教授(心理学)

Putin and the Psychology of Nuclear Brinksmanship: The War in Ukraine Hinges on One Man’s Thoughts and Feelings

Rose McDermott
アメリカの政治学者で、ブラウン大学教授(国際関係論)。
Reid Pauly
ブラウン大学 アシスタントプロフェッサー(政治学) 専門は核不拡散、核戦略など。
Paul Slovic
オレゴン大学 教授(心理学) 専門は意思決定研究。

2023年7月号掲載論文

戦場での大敗も経済制裁も、プーチンに迷いを生じさせることはない。ウクライナの降伏を手に入れない限り、彼が和平に応じることはないだろう。「流れは自分の側にあり、現在の消耗戦が長引けば、ウクライナ軍とウクライナ支援国が疲弊してくる」という読みに賭けているのかもしれない。だが、権力を維持することを重視する彼のナルシズムゆえに、時間枠が限られてくるかもしれない。軍の将軍や傭兵の指導者が内紛を続けるなか、彼は戦争を早く終わらせるためにもっと大きなリスクを引き受けるかもしれない。認知バイアスとプーチンに特徴的ないくつかの心理的傾向からみて、追い込まれたと感じれば、彼は非常に危険な事態を作り出すかもしれない。戦争の歴史で裏付けられた心理学の理論とエビデンスは、欧米諸国が核攻撃の高いリスクを想定して備えるべきことを示唆している。

  • 核使用の心理学
  • 核使用恫喝策
  • 卓越効果
  • 認知バイアス
  • 致命的なトレードオフ
  • 粗野で獰猛な指導者
  • 最善を尽くし、最悪に備える

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2023 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top