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モスクワの大いなる幻想
―― ウクライナ戦争とプーチン体制の本質

フィオナ・ヒル ブルッキングス研究所 シニアフェロー
アンジェラ・ステント ジョージタウン大学名誉教授

The Kremlin’s Grand Delusions: What the War in Ukraine Has Revealed About Putin’s Regime

Fiona Hill アメリカのロシア分析者。ブルッキングス研究所米欧センター シニアフェロー。2017–2019年に米国家安全保障会議シニアディレクターを務めた(欧州・ロシア担当)。著書にThere Is Nothing for You Here: Finding Opportunity in the Twenty-first Centuryなどがある。
Angela Stent アメリカのロシア研究者で、ジョージタウン大学名誉教授。ブルッキングス研究所非常勤シニアフェロー。1999ー2001年、国務省の政策企画部に勤務した。著書にPutin’s World: Russia Against the West and With the Restがある。

2023年4月号掲載論文

ロシアは国際的に孤立してはいない。グローバルサウスでは、この戦争についてロシアが語るストーリーが支持を集め、多くの場合、欧米よりも、プーチンのほうが大きな影響力をもっている。しかし、今回の戦争で、ロシア側の死傷者は20万人に迫っている。戦争に反対か、徴兵を避けるためにロシアを出国した人もこの1年で推定100万人に達するとされる。それでも、プーチンが戦争を決意したら、その行動を抑止できる国やアクターはほとんど存在しない。ウクライナとウクライナを支持する国々は、ロシアがこの戦争に勝利すれば、プーチンの膨張主義がウクライナ国境を越えて拡大することを理解し、憂慮している。そしてプーチンは、いまもこの戦争に勝利できると信じている。・・・

  • 目的と手段
  • ソビエトへの回帰
  • 抑止できない
  • 曖昧化した境界線

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