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国益と自由世界擁護の間
―― ウクライナとアメリカの国益

ロバート・ケーガン ブルッキングス研究所シニアフェロー

A Free World, If You Can Keep It: Ukraine and American Interests

Robert Kagan アメリカの歴史家で、ブルッキングス研究所シニアフェロー。専門はアメリカの外交政策。2003年に発表したOf Paradise and Power(『ネオコンの論理』)はネオコンサーバティブのバイブルとして世界的に大きな話題となった。近著にThe Ghost at the Feast: America and the Collapse of World Order, 1900-1941がある。

2023年3月号掲載論文

オバマ大統領(当時)は、「ウクライナは、アメリカよりもロシアにとって重要であり、同じことは中国にとっての台湾についても言える」と何度も語っている。一方で、第一次世界大戦、そして第二次世界大戦から今日までの80年間、アメリカがそのパワーと影響力を行使して自由主義の覇権を擁護し、支えてきたのも事実だ。ウクライナの防衛も、アメリカではなく、自由主義の覇権を守ることが目的なのだ。「アメリカはウクライナに死活的に重要な利益をもっている」とみなす米議員たちの発言は、ウクライナが倒れれば、アメリカが直接脅威にさらされるという意味ではない。(関与しなければ)「リベラルな世界秩序が脅かされる」という意味だ。アメリカ人は、再び世界はより危険な場所になったとみなし、紛争と独裁に支配される時代に向かいつつあるとみている。

  • 現実主義と普遍主義
  • 何のための介入か
  • 自由主義を守る
  • 国益と自由世界の利益
  • アメリカと戦争
  • 中国とロシア
  • 紛争と独裁が規範なのか

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