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現状維持を望む台湾市民
―― 統一はもちろん、独立も望まぬ理由

ネイサン・F・バトー 中央研究院(台湾)政治学研究所副研究員

Taiwan Is Already Independent: Why Most of the Island’s People Don’t Desire a Formal Declaration

Nathan F. Batto 中央研究院(台湾)政治学研究所副研究員

2023年2月号掲載論文

圧倒的多数の台湾人が、北京に統治されることにはほとんど関心をもっていない。正式な独立宣言を表明したいわけでもない。独立への支持は年々上昇してきたが、半分をゆうに超える人々が「現状の維持」を望んでいる。なぜ統一に人気がないかは明らかだ。中国と統一すれば、台湾は苦労して手に入れてきた政治的自由のほぼすべてを手放さなければならなくなる。台湾は独自の歴史、文化、アイデンティティ、そして民族的プライドをもっている。ほとんどの人にとって、台湾はすでに完全な主権国家であり、中途半端な状態で存在する自治の島ではない。既成事実をあえて正式に宣言して、波風を立てる必要はない。自らの理想と現状との違いは微々たるものであり、争う価値はないと判断している。

  • すでに主権国家だ
  • 国民党と台湾ナショナリスト
  • 現状を受け入れる

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