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プーチンの新警察国家
―― スターリン化するプーチン

アンドレイ・ソルダトフ 調査報道ジャーナリスト
イリーナ・ボロガン 調査報道ジャーナリスト

Putin’s New Police State: In the Shadow of War, the FSB Embraces Stalin’s Methods

Andrei Soldatov 調査報道ジャーナリスト。ロシアのスパイ組織の監視団体アゲントゥーラ(Agentura.ru)共同創設者で編集長。ボロガンとの共著にThe Compatriots: The Brutal and Chaotic History of Russia's Exiles, Émigrés, and Agents Abroadがある。
Irina Borogan 調査報道ジャーナリスト。アゲントゥーラ(Agentura.ru)共同創設者で副編集長。ソロダトフとの共著にThe Compatriots: The Brutal and Chaotic History of Russia's Exiles, Émigrés, and Agents Abroadがある。

2022年9月号掲載論文

ウラジーミル・プーチンは、連邦保安局(FSB)を、ロシア内外における政治問題に解決策を提供する即応部隊にしたいと考えていた。だが、繰り返し失望させられて考えを改めた彼は、ソビエト期のKGB(国家保安委員会)に近い任務を与えた。つまり、エリートを含むロシア民衆を脅すことで、政治的安定をもたらすツールとして利用した。しかし、ウクライナ戦争開始以降の動きは、プーチンが再びFSBの任務を見直したことを示している。いまやFSBは、1970―1980年代のKGBではなく、市民の厳格な統制を目指したスターリンの諜報機関、内務人民委員部(NKVD)に似てきている。NKVDが強大で恐れられる存在だったのは、それが国や党ではなく、スターリンだけに従う組織だったからだ。ウクライナ戦争が始まって以降、プーチンの拡大する警察国家の管理組織は、どうみてもNKVDに近づいている。・・・

  • 秘密警察組織の誕生
  • 拡大するFSBの活動
  • ソビエトへの回帰
  • プーチンの治安部隊

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