経済秩序とヒエラルヒー
―― 経済主権という幻想
How the System Was Rigged: The Global Economic Order and the Myth of Sovereignty
2022年8月号掲載論文
いかなる国際経済秩序も「不平等で分裂した主権」で校正される不安定な基盤の上に成り立っている。表向きは対等な加盟国によって構成されていた国際連盟においても、フランス、イタリア、イギリスという戦勝国とその傍らにいたアメリカは、「自国に弱小の加盟国と同じルールが適用される」とは考えてもいなかった。アジアの国である日本には、そもそも大した影響力はなかった。アフリカ諸国や植民地は、このヒエラルヒーの最底辺に位置づけられた。同じような序列は今も続いている。IMFや世界銀行は、融資の見返りに改革を求めるなど、加盟国の主権を日常的に侵害してきた。パワフルな国内の社会集団が自らの求める政策を定着させるために国際条約を結んで、主権を削り取ることも多い。国際経済システムが主権そして主権の平等を尊重すると期待するのは、あまり現実的ではないだろう。
- 経済主権を削り取る内外の力
- 国際連盟の経済介入
- 外圧としての国際機関
- 経済主権という幻想
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