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米中にとっての台湾の軍事的価値
―― 台湾とフィリピン海そして同盟諸国

ブレンダン・L・グリーン シンシナティ大学准教授(政治学) ケイトリン・タルマッジ ジョージタウン大学外交大学院 准教授(安全保障研究)

The Consequences of Conquest: Why Indo-Pacific Power Hinges on Taiwan

Brendan Rittenhouse Green シンシナティ大学准教授(政治学) Caitlin Talmadge ジョージタウン大学外交大学院 准教授(安全保障研究)

2022年8月号掲載論文

台湾は、日本、フィリピン、韓国を中国の威圧や攻撃から守る上で重要なフィリピン海へのゲートウェイとして、きわめて重要な軍事的価値をもっている。中国にとっても、台湾統一を求める大きな動機はナショナリズムよりも、その軍事的価値にある。実際、北京が台湾を攻略して、そこに軍事インフラを設営し、フィリピン海への影響力を高めれば、中国の軍事的立場は大きく強化され、アジアの同盟国を防衛する米軍の能力は制限される。将来的に北京が静音型の攻撃型原子力潜水艦や弾道ミサイル潜水艦の艦隊を編成し、台湾の基地に配備すれば、北東アジアのシーレーンを脅かし、核戦力も強化できる。ワシントンの対中政策に関するすべてのジレンマが集約される場所であるだけに、台湾は世界でもっとも困難で危険な問題の一つだ。だが困ったことに、そこにあるのは、災いをもたらしかねない悪い選択肢ばかりだ。

  • 中国が台湾を支配すれば
  • 海洋監視と潜水艦能力
  • 潜水艦をめぐる攻防
  • 台湾に関する三つのオプション
  • 台湾ジレンマ

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