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世界でもっとも危険な男
―― プーチンとロシアの核兵器

スコット・D・セーガン スタンフォード大学教授(政治学)

The World’s Most Dangerous Man: Putin’s Unconstrained Power Over Russia’s Nuclear Arsenal

Scott D. Sagan スタンフォード大学教授(政治学)で、同大学フリーマン・スポグリ国際研究所・国際安全保障・協力センター共同ディレクター。フォーリン・アフェアーズでは「個人独裁国家と核の脅威―― 新しい抑止概念の構築を(2018年12月号)」を発表している。

2022年5月号掲載論文

いまやプーチンの周りにいるのは、彼が望むことだけを伝え、不都合な事実は隠すイエスマンばかりだ。偽情報に囲まれた孤立した生活を送っているせいで、プーチンはNATOに対するパラノイア思考を高め、ロシア帝国再興の野望を妄想し、ロシアの軍事力に幻想を抱いている。しかも、ロシアのような個人独裁国家は、他の政治体制の国よりも常軌を逸した行動をとる傾向がある。実際、アメリカとNATOの指導者たちは、1962年のキューバ・ミサイル危機以降、全面核戦争をめぐる重大な危機に世界が直面していることを認識すべきだ。この危険な事態を回避するには、個人独裁体制がどのように意思決定を下すのかを理解し、それにいかに対処すべきかを学ぶ必要がある。

  • 個人独裁と核兵器
  • 核戦略リスク
  • 狂人のごとく
  • 危険地帯

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