秩序の崩壊と再生
―― 生き残るのは米中どちらの秩序か
Enemies of My Enemy: How Fear of China Is Forging a New World Order
2022年5月号掲載論文
ストレスの多い仕事をし、太った喫煙者の習近平は2030年代初頭には、生きていたとしても80代だ。中国の人口危機が本格化し、現在から2030年にかけて生産年齢人口は7000万程度減少し、高齢者人口が1億3000万増えると予測されている。これほど多くの課題に直面している国が、世界の富裕国からの断固とした反対を前にしても、独自の国際秩序を長く維持できるとは考えにくい。だがアメリカが主導する民主的秩序が維持されるという保証もない。2024年の米大統領選挙で憲政危機が起き、アメリカが国内闘争に陥る危険さえある。そうならないとしても、アメリカとその同盟国は立場の違いによって分断されていくかもしれない。よくも悪くも、明らかなことが一つある。それは、中国との競争が新しい国際秩序を形成しつつあることだ。
- 新しい敵と新しい秩序
- 敵を封じ込める秩序
- リベラルな秩序はなぜ崩壊したか
- 共通の敵の台頭
- 民主的秩序VS.中国秩序
- 対中封じ込め秩序
- システムの衝突
- 民主主義の強化を
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