兵器としての移民
―― その長い歴史と憂慮すべき未来
When Migrants Become Weapons The Long History and Worrying Future of a Coercive Tactic
2022年4月号掲載論文
最近のベラルーシやトルコに始まり、古くはキューバにいたるまで、人為的な移民の流れを作り出して殺到させると相手国を脅し、実際にそうした手段をとってきた国は数多くある。しかも、移民を兵器として利用するこのやり方は、これまで長く成果を上げてきた。当然、すぐになくなることはないだろう。それどころか、移民の流れを兵器にしている国に立ち向かわない限り、これを好ましい政策とみなすトレンドゆえに、その利用は抑えられるどころか、ますます増加していくだろう。実際、経済制裁などの強制外交の成功率が全体のせいぜい40%程度なのに対して、兵器化された移民を使った戦術は、ほとんど成功する。
- 古くて新しい戦術
- 経済制裁よりも効果的
- 便利な恫喝策
- いかに対応するか
- 「兵器化された移民」の長い歴史と教訓
- 世界秩序の逆説的な現実
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