Howard Klaaste / Shutterstock.com

裏切られた民主化
―― 南アに残存する人種差別と格差

シソンケ・ムシマン 作家

How Apartheid Endures The Betrayal of South Africa

Sisonke Msimang 著述家。著書にThe Resurrection of Winnie Mandelaがある。

2022年2月号掲載論文

アパルトヘイトからの民主化を果たしたアフリカ民族会議(ANC)は、白人から黒人への権力移行は過去との決別であるとアピールする一方で、この変革は「白人の財産や暮らしには影響を与えない」とかつての支配層を安心させるために、大きな努力をしてきた。多くの意味で、ANCは黒人への約束の多くを破る一方で、白人に対する約束は守ってきた。こうして、1日2ドルの貧困ライン以下の生活を余儀なくされている人の割合は、数十年にわたり高止まりし、格差は拡大している。南アフリカの人種統合は、アパルトヘイト末期よりもわずかに前に進んだが、経済的な格差は当時よりも拡大している。南アフリカの人々は今一度新たな取り決めを交わす必要がある。1990年代にまとめられた政治的了解ではなく、経済的な取り決めを交わし、南アフリカの豊かさが、貧困層にも広く共有されるようにする必要がある。



  • 残存する古い秩序
  • 生き続ける古い秩序
  • 暗黙の取引
  • 黒人中間層

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2022 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top