U.S. Department of State from United States, Public domain, via Wikimedia Commons

中国はクアッドの何を警戒しているか
―― 北京の野心とクアッドの目的

ケビン・ラッド   アジア・ソサエティ会長

Why the Quad Alarms China? Is Success Poses a Major Threat to Beijing’s Ambitions

Kevin Rudd アジア・ソサエティ会長、元オーストラリア首相。フォーリン・アフェアーズでは「迫り来るアナーキー ―― 米中対立と国際社会」(2020年6月号)、「米中衝突を制御するには―― 対立のエスカレーションと戦争リスク」(2021年3月号)などを発表している。

2021年11月号掲載論文

「中国が支配的優位を確立するのが必然である以上、中国の要求を譲歩して受け入れる以外に選択肢はない」。北京は各国をこのように納得させたいと考えている。それだけに、日米豪印戦略対話(クアッド)が中国への対抗バランスを形成できるような十分な規模、一貫性、包括性をもつフォーラムへ進化し、それによってアジアまたは世界的における中国の支配的優位が損なわれるのが避けられない事態になるのは、北京にとって大きな問題だ。中国がクアッドの進歩を抑え込めるような戦略を特定できるかが、一触即発の危険な時代における米中競争、中国のグローバルな野望を左右する重要な要因の一つになる。

  • 厄介な存在
  • 民主国家の連帯
  • クアッドの分断戦略
  • 北京の懸念

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