今度こそアジアシフト戦略を
―― 経済・安全保障エンゲージメント
America Still Needs to Rebalance to Asia After Ten Years of Talk, Washington Must Act
2021年10月号掲載論文
バラク・オバマがアジアリバランシング戦略を表明して10年。そこにある現状は「野心的なレトリックと控えめな行動間のギャップが作り出した不安と懸念」でしかない。今後、三つのポイントが重要になる。アジアへの関与を中国への対応枠組みの一部としてではなく、前向きなアジェンダ、地域戦略ととらえること。アメリカが離脱した後に成立した、TPPをベースとする「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」の参加に向けて交渉を再開すること。そして、中東での軍事プレゼンスを削減してアジアでの抑止力を強化することだ。特にアジアの同盟国やパートナーと協力して、力強い拒否的抑止戦略を考案し、武力行使ではアジアでの目標は達成できないと北京に納得させる必要がある。ワシントンがアジアリバランスといったレトリックを何回使ったかはほとんど意味がない。重要なのは、実際にそうするかどうかだ。
- レトリックと現実のギャップ
- アジアシフトの現状
- レトリックと行動のギャップ
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