ゾンビ民主主義と空洞化した選挙
―― 権威主義体制の虚構を暴くには
The Age of Zombie Democracies Why Autocrats Are Abandoning Even the Pretense of Democratic Rituals
2021年9月号掲載論文
これまで「独裁的支配を民主主義という名でカモフラージュしてきた」多くの政権は、今やそうした取り繕いさえしなくなった。こうして「制度はあっても中身のない、生ける屍のような選挙制度をもつゾンビ民主主義」が台頭している。ロシア、ハンガリー、エジプト、トルコはその具体例だ。選挙を形骸化させた独裁者が「管理された民主主義」から「ゾンビ民主主義」に移行している以上、人権擁護派も対策を変化させなければならない。見せかけの選挙を実施することで独裁者が政治的正統性を主張することに異議をとなえ、より正面から対抗策をとる必要がある。独裁者たちが、本来は仕えるべき民衆のことなど何も配慮していないことを暴き出す必要がある。どんなに強い独裁者も、市民に完全に背を向けられたら、権力を維持し続けるのは難しくなるのだから。・・・
- ゾンビ民主主義へ
- もはや民主主義の体裁は要らない
- 独裁者のアキレス腱
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