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アメリカの少子高齢化の意味合い
―― EU、中ロ、日本との比較

ニコラス・エバースタット アメリカンエンタープライズ公共政策研究所 議長(政治経済担当)

America Hasn’t Lost Its Demographic Advantage Its Rivals Are in Much Worse Shape

Nicholas Eberstadt アメリカンエンタープライズ公共政策研究所議長(政治経済担当)で全米アジア研究所のシニアアドバイザー。フォーリン・アフェアーズでは「人口動態と未来の地政学―― 同盟国の衰退と新パートナーの模索」(2019年7月号)、「中国における大家族時代の終焉―― 中国の野望と人口動態トレンド」(2021年5月号)などを発表している。

2021年8月号掲載論文

日本やヨーロッパそして中ロ同様に、アメリカも人口成長率の鈍化と出生率の着実な低下という厳しい現実に直面している。出生率の低下は将来に対する人々の自信も低下させるだけに懸念すべき事態だ。だが、こうした人口動態の変化から、アメリカの国際的地位の低下を直ちに心配する必要はない。アメリカの出生率が人口置換水準を維持できた最後の年は2008年だが、日本とEU諸国は1970年代に、中国とロシアは90年代初頭にすでに出生率が人口置換水準以下に落ち込んでいる。さらに、10年以上前からアメリカでも出生数と死亡数のギャップが縮まり続けているが、EU諸国は2012年頃から、日本では2007年以降、出生数よりも死亡数の方が多い状態が続いている。アメリカは今後数十年にわたって、相対的にはライバル諸国に対する人口動態上の優位を維持していくだろう。

  • アメリカも少子・高齢化へ?
  • 減速、そして衰退
  • 永続的な強み
  • 他の主要国と比べると
  • 人口と人材開発

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