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米中衝突を制御するには
―― 対立のエスカレーションと戦争リスク

ケビン・ラッド  アジア・ソサエティ会長

Short of War
How to Keep U.S.-Chinese Confrontation from Ending in Calamity

Kevin Rudd ニューヨークのアジア・ソサエティ会長で、元オーストラリア首相(2007―2010年)。フォーリン・アフェアーズでは、「迫り来るアナーキー ―― 米中対立と国際社会」(2020年6月号)などを発表している。

2021年3月号掲載論文

ワシントンが経済のディカップリング(切り離し)と全面的な対中対決路線を選べば、世界のあらゆる国はどちらかにつかざるを得なくなり、エスカレーションリスクは高まる一方となる。ワシントンと北京がそのような結末を回避できるかについて、専門家が懐疑的な見方をしているのは無理もない状況にある。必要なのは米中間の「管理された戦略競争」枠組みだろう。双方の安全保障政策と行動に一定の厳格な制約を設けつつも、外交、経済、イデオロギーの分野ではオープンで全面的な競争を展開する。一方で、二国間アレンジメントや多国間フォーラムを通じて、特定の分野では協力する。このような枠組みを構築するのは難しいとしても、不可能ではないだろう。そうしない限り、壊滅的な結末に直面する恐れがある。

  • 危険に満ちた2020年代
  • 習近平の政治経済ビジョン
  • 台湾と東シナ海
  • 衰退するアメリカ
  • バイデン政権と中国
  • 「管理された戦略的競争」
  • 成功と失敗の基準

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