なぜリベラルな国際主義は破綻したか
―― ウィルソン主義の終わり
The End of the Wilsonian Era
Why Liberal Internationalism Failed
2021年2月号掲載論文
現代の世界政治でもっとも重要な事実とは、ウィルソン主義の崇高な試みが失敗に終わったことだろう。法に基づく普遍的な秩序が国家間の平和と国内における民主主義を保証するという夢はもはや重視されなくなり、今後、現実味を失っていくだろう。もっとも、ウィルソン主義とはヨーロッパ特有の問題に対するヨーロッパ特有の解決策だったわけで、それがグローバルな規範だったわけではない。いずれにせよ、米大統領が自由主義的な国際主義の理念に基づいて外交政策を策定できる時代が近い将来に再現されることはおそらくないだろう。
- 過ぎ去りし過去
- ルールを基盤とする秩序の歴史的系譜
- ウィルソン主義的秩序への期待
- ウィルソン主義に対する逆風
- ウィルソン主義とヨーロッパ
- ポピュリズムの台頭
- バイデンの課題
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