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CFR in Brief
ブレグジットと英・EU貿易協力協定

マティアス・マティス  ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院 准教授(国際政治経済)

What’s in the EU-UK Brexit Deal?

Mattias Matthjis ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院准教授(国際政治経済)、米外交問題評議会シニアフェロー(ヨーロッパ担当)。フォーリン・アフェアーズでは、「欧州連合を崩壊から救うには―― 緊縮財政から欧州版三本の矢へ」(2015年3月号)、「ブレグジット後のヨーロッパ―― 経済より政治統合を優先させよ」(2020年7月号)などを発表している。

2021年2月号掲載論文

EUは、イギリスが北アイルランドとアイルランドとの境界問題を実質的に回避することを受け入れ、北アイルランドには商品、サービス、資本、ヒトの自由な移動という単一市場の重要な「四つの自由」を維持することが認められた。イギリスもEUとの製品貿易について「ゼロ関税、ゼロクォータ」の条件を勝ち取った。そして、ブリュッセルの立場からすれば、今回の交渉をつうじて「EUからの離脱は容易ではない」という重要なメッセージを示すことができた。このプロセスは、離脱によって主権を取り戻せる一方で、単一市場のメンバーであり続ければ確保できたはずの経済的恩恵を失うというトレードオフを明確に示した。一方、イギリスは、困った状況をEUのせいにして非難することはできなくなった。それだけではない。アメリカとの貿易合意がスムーズに進むとは考えにくいし、しかも、イギリスは潜在的な国家分裂リスクも抱え込んだことになる。・・・

  • 新合意と英にとっての意味合い
  • アメリカとの関係
  • 脅かされるイギリスの統合
  • ヨーロッパへの余波

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