コロナ後の経済再建を考える
―― 債務増でも積極財政をとるべき理由
The Crisis Opportunity
What It Will Take to Build Back Better Economy
2021年1月号 掲載論文
2009年と比べて今回は財政政策上より多くの手を打てる。グローバル金融危機後の2009年1月におけるアメリカの債務残高が国内総生産(GDP)の50%未満だったのに対して、パンデミックを経たバイデンの大統領就任時には債務がGDPの100%におそらく達していることを考慮すれば、この見方は間違っているようにも思えるかもしれない。だが、かつてと現在では金利に違いがある。2009年1月の段階で10年国債の実質金利はおよそ2%だったが、2021年1月のそれはマイナス1%程度になる。現在の公的債務がかつて以上に大きいとしても、キャリーコスト(持ち越し費用)は少なくて済む。バイデンがキャンペーンで約束してきた政策を実施すれば、回復は加速する。景気サイクルだけでなく、ワクチンも追い風を作り出すと期待したい。
- 国内の再生と国際的リーダーシップ
- 災害型からノーマルなリセッションへ
- 教訓は生かされたか
- 危機後の雇用を考える
- よりよく再建する
- 債務ジレンマ
- グローバルアジェンダ
- 将来を見据えて
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