経済活動再開の恩恵とリスク
―― 感染率拡大の国家間格差はなぜ生じたか
The Secret to a Safe Reopening Why the End of Lockdown Looks So Different Around the World
2020年8月号掲載論文
都市封鎖、行動規制解除後の感染率の推移は国ごとにばらつきがある。感染を封じ込めるほど十分長期にわたって封鎖や行動規制を続け、公衆衛生システムを強化し、レジリエンスを高め、社会にメッセージを適切に伝えた国は、日常生活への復帰後も壊滅的な事態には陥っていない。しかし、大した準備もせずに、経済・社会活動の再開に踏み切り、いまや大きなコストを支払わされているブラジルやアメリカのような国もある。経済・社会活動再開のための最善の計画も、予期せぬ事態に遭遇することもある。各国で、ステイホームの指令やソーシャルディスタンシングのガイドラインがデモ行動で覆されたことはその具体例だ。社会・経済活動再開に向けたロードマップが存在することは安心材料だが、数週間から数カ月先にはそれを書き換える必要が出てくるだろう。
- 社会・経済活動の再開へ
- なぜ再開後の感染ギャップが生じているか
- 柔軟な計画、明確なメッセージ
- リアルタイム実験
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