Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

香港の次は台湾か
―― アメリカは北京の思惑にどう対処すべきか

マイケル・グリーン  ジョージタウン大学外交大学院 教授(アジア研究) エヴァン・メデイロス  ジョージタウン大学外交大学院 教授(アジア研究)

Is Taiwan the Next Hong Kong? China Tests the Limits of Impunity

Michael Green ジョージタウン大学外交大学院教授(アジア研究)、戦略国際問題研究所アジア担当上級副会長。2004-05年に国家安全保障会議でアジア担当シニアディレクターを務めた。  Evan Medeiros ジョージタウン大学外交大学院教授(アジア研究)。国家安全保障会議アジア問題担当シニアディレクター(2013―15)などを経て現職。

2020年8月号掲載論文

北京が「アジアの将来における・・・自国の立ち位置を新たに定めようとしているときに」、ワシントンは、香港問題を現地情勢だけでとらえる狭いゲームに自らを押し込んではならない。習近平がリスクテイカーで、紛争も辞さず、領有権の主張にこだわりをもっていることは明らかだし、ワシントンは、台湾への余波を考慮した上で、十分に考え抜いた香港問題への対策をとる必要がある。アメリカは(ヨーロッパ同様に)アジア太平洋地域においても地域的覇権国が支配的優位を確立するのを阻止することをこれまで長く目的に掲げてきた。香港の状況は、この目的を維持していくのが急速に難しくなりつつあることを示している。ワシントンは外交的圧力を通じて、そこに中国に反対する国際的連帯が存在することを知らせる必要があるが、過度に危機意識を植え付けるのを避け、北京がアメリカとその同盟諸国の分断作戦に出ないように配慮する必要がある。

  • 香港と中国の意図
  • アジア勢力圏の拡大
  • 台湾と中国の不安
  • 北京の計算を見直させる

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