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財政支出でコロナ恐慌を抑え込めるか
―― ハイパーケインズ主義の実験と日本の先例

ザチャリー・カラベル コラムニスト

Can History’s Biggest Stimulus Stave Off a Coronavirus Depression? A Real-life Experiment in Hyper-Keynesianism

Zachary Karabell アメリカの作家、コラムニスト、投資家で、金融企業エンベストネットのヘッド・グローバル・ストラテジスト。最近の著作にThe Leading Indicators: A Short History of the Numbers That Rule Our Worldがある。フォーリン・アフェアーズでは「重要なのはGDPではなく、生活レベルだ―― 資本主義の危機と社会保障」(2016年3月)、「主要経済指標という幻―― ビッグデータ時代の経済指標を」(2014年4月)などを発表している。

2020年5月号掲載論文

各国は、あたかも2020年夏まで経済生産がゼロの状態が続くかのような財政支出を約束している。ニューディールを含めて、このレベルの政府支出には歴史的先例がない。つまり、これは「ハイパーケインズ主義」の実験のようなものだ。有事であると平時であると、先例はない。このような試みがアメリカ経済、ヨーロッパ経済、世界経済を救えるかどうかは誰にもわからない。希望をもてるとすれば、パンデミック前の段階で対GDP比債務がすでに230%近くに達していたにもかかわらず、日本の金利とインフレ率が引き続き安定していたことだ。多額の借入と財政出動がジンバブエよりも日本のような状況を作り出すのなら、楽観的になれる根拠はある。しかし、政府支出で永遠に現実世界の経済活動を代替することはできない。

  • 前例なき試み
  • テストされていない理論
  • 日本かジンバブエか

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