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引き裂かれた家族と自画像
―― 湾岸における「 一時的な人々」

ディーパック・ウニクリシュナン 作家

The Hidden Cost of Migrant Labor What It Means to Be a Temporary Person in the Gulf

Deepak Unnikrishnan 作家で、現在はニューヨーク大学アブダビ校で教えている。著書Temporary Peopleはムーア賞、ヒンドゥー賞、レストレスブック賞を受賞した。

2020年4月号掲載論文

(湾岸の外国人労働者だった)父が、母と子供を現地に呼んでともに暮らせるだけの所得があったという意味では、他の外国人労働者に比べて私の家族は恵まれていた。だがそれでも、私の家族は特有の心の傷と格闘しなければならなかった。誰かがいないことを常に我慢し、合理的には受け入れられない別離に直面した。インド・ケララ州の人々は外国から自州に126億ドルを毎年送金し、州の経済成長率を11%へ押し上げるのに貢献しているかもしれない。しかし、湾岸に「一時的な人々」として出稼ぎにいった私の両親のような人々がどのようになり、いかにして私のような民族、国家、あるいは親戚にさえ忠誠心をほとんどもてない少年を作りだしたかを考える必要がある。「一時的な人々」が陥る家庭環境だけでなく、社会・心理状況そしてアイデンティティを定義する新しい言葉が必要だろう。

  • 異国で育ち、別の異国で働く
  • 湾岸モデル
  • 心のなかにある故郷
  • それに価値があるのか
  • 一時的な人々

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