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パンデミックによる社会破綻
―― 経済政策で社会崩壊を阻止するには

ブランコ・ミラノビッチ ニューヨーク市立大学シニアスカラー

The Real Pandemic Danger Is Social Collapse As the Global Economy Comes Apart, Societies May, Too

Branko Milanovic ニューヨーク市立大学大学院 (社会・経済格差研究)ストーンセンター シニアスカラー。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授。専門は所得分配と格差。最近の著作にCapitalism, Alone: The Future of the System That Rules the World(2019, Harvard University Press.)がある。

2020年4月号掲載論文

コロナウイルス危機が終息しても、多くの人が希望も仕事も資産もない状態に放置されれば、彼らは、よりよい生活をしている人に敵意をもつようになるだろう。資金も雇用も、医療へのアクセスもない状態に放置され、絶望し、状況に怒りを感じるようになれば、イタリアの監獄で起きたような暴動、2005年にハリケーン・カテリーナに見舞われた後のニューオリンズで起きた略奪といった光景が、世界各地で再現されるかもしれない。現状における経済政策の主要な(あるいは、実質的に唯一の)目的は、社会的崩壊を阻止することかもしれない。ウイルスが作り出す異常な緊張のなかで、社会の絆を維持していくことを経済政策の目的に据える必要がある。

  • 恐れと孤立
  • 怒りと社会破綻

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