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習近平とコロナウイルス
―― トップダウン型危機管理の弊害

エリザベス・エコノミー 米外交問題評議会 シニアフェロー(中国担当)

The Coronavirus Is a Stress Test for Xi Jinping Can China Control an Epidemic From the Top Down?

Elizabeth Economy 米外交問題評議会シニアフェロー(中国担当)で、アジア研究部長。

2020年3月号掲載論文

コロナウイルスのアウトブレイクは、習近平政権にとって最悪の人道・経済危機に向かっている。もちろん、国家主席が辞任するはずはない。習近平は、まさにこうした危機に持ちこたえられる政治システムの構築に就任後の7年を費やしてきた。国営メディアは国家主席の役割を、背後からリードする、最終権限をもつ最高指揮官であると強調し、武漢の病院を視察し、患者をいたわる役目は李克強首相や孫春蘭国務院副総理が担っている。要するに、現地で起きている危機と習近平の間には、党の官僚制度内のステータスを分ける階層の数だけバッファーが存在する。だが、ウイルスを封じ込めるのに時間がかかれば、その分、今回の危機で生じた(政治的・社会的)亀裂は大きくなり、それが引き起こす問題も深刻になる。多くの中国人が望んでいるのは、他の国の市民が望むのと同じことだ。なぜ今回のようなことが起き、二度と起きないようにするには何が必要なのか、そして誠実な政治家が「責任は自分がとる」と語ることだ。・・・。

  • 習近平体制の矛盾
  • 封じ込めと管理
  • 公衆衛生・中国スタイル
  • 危機と最高指導者の間

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