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北極圏と大国間競争
―― 中ロに出遅れたアメリカ

ヘザー・A・コンリー 戦略国際問題研究所 ディレクター(ヨーロッパ)

The Arctic Spring Washington Is Sleeping Through Changes at the Top of the World

Heather A. Conley 戦略国際問題研究所 ヨーロッパ、ユーラシア、北極圏担当副会長で、ヨーロッパ担当ディレクター。

2019年11月号掲載論文

地球平均のほぼ2倍のペースで温暖化が進んでいるために、北極圏の環境は大きく変化している。海氷の後退によって、新たに航路が生まれ、レアアース、水産資源、巨大な石油・天然ガス資源を含む手つかずの資源へのアクセスが開かれつつある。中ロは、こうした変化がもたらした経済的、軍事的なチャンスを積極的に模索している。北京は一帯一路を北極圏に広げ、周辺諸国の一部の港湾、鉄道、地下ケーブル、エネルギー開発に投資し、これを「北極(氷上の)シルクロード」と呼んでいる。モスクワも新たに生まれた北極海航路に対する主権を主張し、中国の海洋シルクロード構想と北極海航路を一体化させることを提案している。・・・

  • 温暖化がもたらした機会
  • アメリカの立場
  • 中国の積極路線
  • ロシアと北極海航路
  • 北極圏の軍事化

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