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米中経済のディカップリングの意味合い
―― 解体するグローバル貿易システム

チャッド・P・ボウン  ピーターソン国際経済研究所
ダグラス・A・アーウィン ダートマスカレッジ教授(経済学)

Trump’s Assault on the Global Trading System And Why Decoupling From China Will Change Everything

Chad P. Bown ピーターソン国際経済研究所 シニアフェロー。大統領経済諮問委委員会シニアエコノミスト(国際貿易・投資)、世界銀行リードエコノミストなどを経て現職。専門は国際貿易制度など。
Douglas A. Irwin ダートマスカレッジ教授(国際貿易)。最近の著書にA History of U.S. Trade Policyがある。

2019年9月号掲載論文

トランプ政権が永続的な中国との取引はもとより、北京が受け入れるかもしれない合意など望んでいないことはすでに明らかだ。表面的な合意が結ばれても、それは永続的な貿易戦争の一時的な休戦にすぎない。トランプ政権は、中国政府が「国が支配する経済」から「市場経済」へと一夜にしてシステムを作り替えることを望んでいる。中国経済のあらゆる側面への管理を維持することで、権力を堅持してきた共産党政府がこれを受け入れるはずはない。世界の2大経済大国のつながりが断ち切られ、分裂していけば、世界の貿易地図も書き換えられていく。各国はライバルの貿易ブロックのどちらかを選ばざるを得なくなり、これまでの「グローバル貿易システム」は解体へ向かう。

  • 引き裂かれたシステム
  • 関税と国家安全保障
  • 協定の再交渉
  • WTOの破壊
  • 米中経済の切り離し
  • グローバル自由貿易は泡沫の夢か

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