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失速するロシア経済
――― 停滞というニューノーマル

クリス・ミラー フレッチャー法律外交大学院准教授

Can Putin Fix Russia’s Sputtering Economy?
Why Stagnation Is the New Normal

Chris Miller フレッチャー法律外交大学院准教授。外交政策研究所ユーラシアプログラム責任者。著書に『プーチノミクス:甦ったロシアの権力と金』がある。

2019年5月号掲載論文

2014年に原油価格が急落し、ロシアは外貨収入源の多くを失った。同年、ロシアがクリミアを編入したことで、プーチンの支持率は急上昇したが、欧米の金融制裁の対象にされ、ロシア企業は投資を削減せざるを得なくなり、すべての産業の資金調達コストが上昇した。ルーブルは暴落し、投資と消費は大きく冷え込んだ。この5年にわたって、ロシア経済はひどい状況にある。それでも、モスクワは政府批判を許さない法律を導入することで民衆を抑えこんでいる。モスクワの国内統治と欧米との対立はすでにメカニズムとして織り込まれている。社会を団結させるような新たな外国との対立がなければ、おそらくロシア市民はモスクワの政策は硬直化していると判断することになるかもしれない。但し、それでも市民たちは停滞をニューノーマルとして受け入れるかもしれない。

  • プーチンの黄昏
  • 空虚な約束
  • 停滞を受けいれる?

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